ベトナムの地震2020年ベトナムの地震2020年

もくじ

ベトナム北部でマグニチュード4.8の地震 震源地はホアビン省

2020年7月27日午後12時15分、ハノイにいると長めの横揺れ地震を自宅マンションで体感しました。地震情報のウェブサイトによると、マグニチュード4.8で震源地はホアビン省、震源地の深さは10kmとの事です。

震源地が中国やタイで、ベトナムも揺る事はありますが、今回は震源地がベトナム。

今回の地震はマンションが地震の割に揺れが強く、建物自体が少し軋み、日本で建物内で感じる地震と感覚的にちょっと違いました。ちょっとですが日本では感じた事がなかった建物崩壊の恐怖を感じたんです。

在ベトナム邦人の間ではよく言われる事ですが、やはりベトナムの建物は建築時に地震対策を考えていないのか!?

ベトナムには地震がない!? いいえ、あります!

「ベトナムは地震が無いから、その点は安心だよ!」とベトナムに行く前は聞いていました。2017年です。

でも実際ハノイに住んでみると2019年にも大きい地震では無いんですが、地震は3回もあったんです。

2019年の地震はハノイではすべて小さい揺れで、長かった揺れで1分近く続いものがありました。揺れ自体は本当に微弱で注意しないと感じないほどです。実際にハノイで2019年の地震を感じた人は少なかったようです。

ベトナムの建築の構造基準に耐震基準は盛り込まれている。

ベトナムの地震について気になり検索したところ、いくつかの記事が見られました。そしてベトナム国内の建築の構造基準では2007年ごろにできた構造指針の中にすでに耐震基準が盛り込まれている事がわかりました。耐震構造をちゃんと考えていました😄😆!

【建築】ベトナムは本当に地震国なのか? 2014年11月29日 ベトナム・建築家ノートから引用

実はベトナムは地震国なんです。

また以下の記事から日本ほどでは無いんですが、ベトナムは地震国であることがわかりました。

ベトナムで地震発生の可能性、かなり高い

記事によるとベトナムに火山帯に位置はしていないですが、ハノイはいくつかの断層の上に位置しており、大規模な地震が起こる可能性があるとのこと。

地球物理研究所の主催により5日と6日の両日開かれた、アジア太平洋地域における地震と津波の危険性をテーマとした国際会議で、ベトナムは大地震の巣となる火山帯には位置していないが、地震の起きる可能性はかなり高い事が報告された。6日付カフェエフが報じた。

ベトナムでは過去にマグニチュード6.7~6.8程度の地震が、ホン川(紅河)断層、チャイ川断層、マー川断層、ソンラ断層、東経109度断層などを震源として発生している。ハノイ市は、ホン川、チャイ川、マー川、ソンラの各断層の上に位置しており、大規模な地震が起きる可能性がある。

また、ベトナムにとって最も危険な津波は、フィリピン沖の海底を震源とする地震によって引き起こされる津波で、地震発生から2時間でベトナム沿岸に到達すると予測されている。この津波の影響が最も大きい地域は、北中部クアンチ省ドンハー市から東南部ニントゥアン省・ファンラン・タップチャム市にかけての沿岸部で、北部や南部への影響は少ないとみられている。

ベトナムで地震発生の可能性、かなり高い 2011年9月10日 VIETJOから引用

もしもハノイで地震が起こったら

この記事にはもしハノイで大きな地震被害があった場合に被害を受けるだろう地盤の弱い地区が書かれています。

もしもハノイで地震が起こったら

ベトナムの経済発展に伴い都市部では雨後の筍のごとく次々に高層ビルが建設され、また人口増加に伴う住宅需要の高まりで高層団地があちらこちらで建設されている。

1年に数度の地震があたりまえの地震大国日本からベトナムに訪れた日本人の感覚では、ベトナムでは地震を気にすることなく、またこの国では地震はないとさえ思うかもしれない。

しかしハノイを初めとしたベトナム北部地域(特に北西部地域)は地震発生地域で過去にマグニチュード(M)5クラスの地震が発生している。

文献上に記載のある最も古い地震の記録は1277年で、北西部地方で震度7(ベトナム式=M5クラス)の地震が発生したと推定され、その翌年の1278年、そして1285年にはハノイ地方を同程度の地震が襲ったと見られている。

また、最近では1958年にハノイの西60キロにあるYen Lac(Vinh Phu省=注:現在のVinh Phuc省とPhu Tho省)でM5.3を記録しているほか、同じくハノイから60キロ離れたTan Yen(Bac Giang省)でもM5.6(震源の深さ28km)の地震が発生し、ハノイ市で震度6(ベトナム式)の揺れを観測したほか、北部地方の広い範囲で震度4~5(同)を観測した。

ベトナム科学技術院所属地球物理院のNguyen Ngoc Thuy準教授によると、ベトナムは世界的に見ると平均的な地震国で、そのほとんどが無感地震ではあるが毎日地震は発生しているという。またベトナムの地震多発地域は北西部地方で毎年M1~2程度の地震が発生しており、ここ5~7年ではM4~5クラスの地震が発生し、平均的には50年間に1回の割合でM6~6.8レベルの地震が発生していることになるという。近年の100年間では計120回の地震が観測されており、うち震度6(ベトナム式)以上が32回、震度7(同)が3回発生している。

地球物理院ではハノイ周辺でこの先M5.5~6程度の地震が発生する確立が高いと考えており、仮に地震が発生すれば地盤の弱いHai Ba Trung区とThanh Tri県では大きな被害を受けるだろうと警告している。

そのほかのハノイ市内ではDong Anh県が最も地盤が固く、続いてTay湖西部とTu Liem県、Hoan Kiem区の順となっている。

話は冒頭に戻るが、急な経済成長と人口増加で需要を増す高層ビルや高層団地。概観は素晴らしく経済成長のシンボルとして首都の街を見下ろしているが、連日紙面を賑わす手抜き工事や施工業者が少しでもお金を懐に入れたいがために工事費を浮かして建設し、完成直後から壁のひび割れ、浸水が発生する団地の数々。M5程度の地震が起きてもどっしり立っていられる建物は果たしてどのぐらいあるのだろうか。

もしもハノイで地震が起こったら 2004年12月27日 VIETJOから引用

今後ベトナムではまた地震が起こるでしょう。ベトナムに長期滞在・移住・不動産購入などを考えるなら。

今回起こった地震を経験した思った事は、またこのような規模の地震が近い未来に起こるんだろうなという事です。筆者は現時点でベトナム在住約3年ですが、今後も長期滞在を考えています。地震の怖さを知っている日本人としては、やはりベトナムに長く住むなら、地震が起こった時に安全な地区・建物に住む事を視野に入れたいし、もし不動産を購入するなら安全な地区の耐震構造がしっかりした建物を購入したい。ベトナムの建築基準や地盤や地形を調べる事は大切ですね。

投稿者 ヨシヒロミウラ

在越ライター。 2017年国際交流基金「日本語パートナーズ」としてベトナムの首都ハノイに派遣される。2018年に任期終了後し帰国するが、同年ハノイに戻る。武蔵大学経済学部経営学科卒業