中国は日本のオタク文化をどう亜種進化させたのか? |アジア文化編集論②

アジア文化編集論

ベトナムから見える中国文化の存在感

ベトナムの若者文化を観察していると、韓国文化だけでなく中国文化の存在感も年々大きくなっていることを感じる。

ショート動画。

ライブコマース。

オンラインゲーム。

そしてアニメやコスプレ文化。

中国文化に感じる不思議な既視感

中国の若者文化を見ていると、私は時々不思議な感覚に襲われる。

それは「未来を見ている」という感覚ではない。

むしろ「日本の過去が別の世界線で成長した姿を見ている」感覚に近い。

日本のオタク文化が中国へ渡った

中国の若者文化には、日本のオタク文化の影響が深く刻まれている。

アニメ。

漫画。

特撮。

RPG。

同人文化。

そして動画共有サイト文化である。

秋葉原から始まった文化

日本では1980年代から2000年代にかけて、秋葉原を中心に独特のオタク文化が形成された。

ガンダムやエヴァンゲリオンに熱狂し、コミックマーケットに人々が集まり、インターネットではニコニコ動画が誕生した。

それは決して主流文化ではなかった。

むしろ周辺に存在するサブカルチャーだった。

中国で起きたオタク文化の巨大化

ところが中国では事情が違った。

巨大な人口と急速なインターネット普及を背景に、日本由来のオタク文化が巨大市場へと成長したのである。

Bilibiliという象徴

その象徴がBilibiliだ。

日本のニコニコ動画に影響を受けたコメント表示機能、アニメコミュニティ、ゲーム実況文化。

日本では一部の若者文化だったものが、中国では数億人規模の文化圏へと拡大した。

VTuber文化も同じ道を歩む

さらに近年ではVTuber文化も同様の道をたどっている。

日本で誕生した概念が、中国で巨大産業へと発展する。

そこには中国市場特有のスケール感が存在する。

模倣ではなく進化だった

興味深いのは、中国が日本文化を模倣しているわけではないことだ。

中国は日本から文化的な「種」を受け取り、それを独自の環境で育てている。

その結果、日本とは異なる果実が実っているのである。

中国は日本文化の競争相手なのか

私は中国文化を観察するたびに思う。

中国は日本文化の競争相手ではない。

むしろ日本文化のもう一つの進化形なのではないか、と。

日本文化のもう一つの未来

だからこそ中国文化を理解することは、現代中国を理解するだけではない。

日本がかつて生み出した文化が、国境を越えてどのように変化し、どのような未来を獲得したのかを知ることでもある。

文化はアジアを巡り続ける

そして今、その中国文化をベトナムの若者たちが熱心に消費している。

アジアのポップカルチャーは、一方通行ではない。

日本から韓国へ。

日本から中国へ。

そして韓国と中国からベトナムへ。

文化は国境を越えながら、何度も編集され続けている。

私はホーチミンでその変化を眺めながら、日本文化の長い旅路を見ているような気持ちになるのである。

※アジア文化編集論、次回はベトナム編です。

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