「正しい方針」ではもう足りない ー ベトナム共産党トップが語った、これからの5〜10年の重み

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「正しい方針」ではもう足りない ー ベトナム共産党トップが語った、これからの5〜10年の重み

2026年4月、トー・ラム書記長は、ハノイで開催された中央レベルの重要会議において、これからの国家運営について極めて踏み込んだ発言をした。党大会決議の実行体制や統治のあり方を議論する場で、彼が強調したのは一つの危機感だ。「これからの5〜10年を無駄にすることは許されない」。ベトナムの将来を左右するこの時間を、単なるスローガンや形式的な実行で終わらせてはならない——その強い意思が、会場全体に投げかけられた。

ベトナム共産党のトー・ラム書記長が強く訴えたのは、とてもシンプルなことだ。
「方針はもうある。問題は、それを本当に動かせるかどうかだ」ということである。彼は、これからの5〜10年が国家の進路を決める決定的な時期であり、ここで躊躇や先送りをすれば、失うのは単なる時間ではなく、国全体の発展機会そのものだと述べた。

この発言は、いまのベトナムをよく表している。
ベトナムは近年、製造業、インフラ、デジタル化、行政改革など、あらゆる分野で前に進もうとしている。しかし一方で、現場では「決定はあるのに、実行が遅い」「責任を取りたがらない」「会議は多いのに結果が見えない」という問題も残ってきた。今回の発言は、そうした“ベトナムの弱点”を、トップ自らかなり率直に認めたものでもある。

ベトナムが変えようとしているのは「やり方」そのもの

記事の中で特に重要なのは、トー・ラム氏が、今後は行政命令型の管理から、結果で測る統治へ移るべきだと語っている点だ。
つまり、「何回会議をしたか」「報告書が何ページあるか」ではなく、何が完成したのか、社会にどんな効果が出たのか、国民や企業が満足しているのかで評価するという発想である。これは日本人にも非常にわかりやすい。要するに、プロセス重視の官僚運営から、成果重視の国家運営へ寄せたいということだ。

さらに彼は、制度や法律、手続きの見直しを急ぎ、許認可中心の発想から、発展を後押しする行政へ変える必要があるとも述べた。加えて、各政策や大型案件には、誰が担当し、何を、いつまでに、どんな権限で、どんな結果を出すのかを明確にする、「6つの明確化」も求めている。

これは単なるスローガンではない


ベトナム政治の言葉は、しばしば抽象的に見える。しかし今回のメッセージは比較的具体的だ。たとえば、報告書の厚さや会議回数で評価しない責任の所在を曖昧にしない監督は問題が起きた後ではなく早い段階から行う、といった表現には、かなり実務的な匂いがある。

しかも今回の話は、単に「頑張ろう」という精神論では終わっていない。党大会決議を素早く社会に落とし込むために、思想・メディア・科学分野の主要機関の位置づけ見直しや、政治・思想工作、監督、規律強化まで含めて、国家運営全体を締め直そうとしている。

ベトナムは「成長国家」から「実行国家」になれるか

私はここに、今のベトナムの本質を見る。
ベトナムはもう、「若くて勢いのある国です」で評価される段階を少しずつ終えつつある。これから問われるのは、決めたことを、本当に最後までやり切れる国かどうかだ。

外資はベトナムの将来性を買う。
しかし、本当に投資を呼び込み続けるのは、人口ボーナスでも親日感情でもない。最終的には、制度が動くか、責任者が動くか、現場が動くかである。

今回のトー・ラム氏の発言は、その現実を非常にストレートに示している。
ベトナムは今、夢を語る段階ではなく、近未来を実装できるかどうかの段階に入った。
この5〜10年は、確かにベトナムの未来を決める時間になるだろう。問題はただ一つ。
この国が、スローガンを成果に変える国家になれるかどうかだ。

参考記事:VN Express

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